【Editing...】
【富士フイルムのあゆみカメラ -光学機器事業基盤の確立-】より引用
富士フイルム初の露出計連動カメラ。1959年3月、米国フィラデルフィアで開催されたカメラ見本市フィラデルフィアショーで発表し、話題を呼んだ。レンズシャッター式カメラとしては世界で初めて"1000分の1秒"付シャッターを採用。国内市場へは同年12月から出荷。
レンズ | FUJINON 1:1.9 f=45mm 4群6枚 |
シャッター | CITIZEN MLT 速度:Bulb,1〜1/1000秒 |
ファインダー | 採光式ブライトフレームファインダー |
ピント調整 | 全群ヘリコイド式距離計連動 二重像合致式 |
露出調節 | LVシステム 受光素子:セレン光電池 |
フィルム感度設定 | ASA 12〜800 |
大きさ・重量 | 114mm(W)×72mm(H)×51mm(D)・770g |
(外観)
埃、錆及びカビあり。小傷あり。
分解痕あり(一部ねじ欠落)
(機能)
スローシャッター動作不安定
セルフタイマー動作不安定
シャッター速度・絞り連動動作粘り
距離計縦位置ズレあり
二重像投影希薄
レンズ周辺にクモリ若干あり
絞りとシャッターの連動を確認します。 まずは前玉を"ゴム栓"で外します。 | |
次にフィルム室から見えるカニ目リングを外し、シャッターユニットを本体から分離させます。 | |
後玉を外して絞りの動きを観察します。油で粘っております。しかも、1枚動いておらず、目一杯絞ると絞りが全体的に歪みます。 | |
元に戻すことができるのか不安で一杯ではございますが、意を決して、分解しました。 | |
分解している最中、何かが落ちてきました...。シャッター羽根の根元部分のようです...。でも、羽根の枚数はきちんとしております。割れているものもありません。 おそらく、この個体の前の持ち主のどなたかが残されたものなのでしょう。他にもたくさんの仕掛け(?)がなされておりました。(ネジの取り付け位置がおかしかったり、ワッシャーがなかったり...) |
何だかんだと四苦八苦いたしましたが、何はともあれ再組立も完了しました。
距離計は再調整していなかったため目測でしたが、無限遠、中間距離ともピント自体は問題ないようです。
かなり激しい逆光と輝度差のテストも暗部の潰れも最小限で、細かい部分の描写も想像以上にクリアでした。
フジノンレンズの高い描写力を垣間見た感があります。この描写力を生かす技量が私にないことが一番問題なのです...。苦笑
2012年4月現在。シャッターの動作が不安定になっております。しっかりと実用機にするため、きちんと時間をかけてメンテナンスする予定です。