【Editing...】
【富士フイルムのあゆみ -スチルカメラで独自の分野を カメラの自動露光化とコンパクト化-】より引用
35mm判フィルムの画面サイズは、縦24mm・横36mm。このサイズを2つに切って、縦24mm・横18mmの画面サイズのカメラが普及したのは、1959年。ハーフサイズカメラあるいはペンサイズカメラと呼ばれた。
ハーフサイズカメラは、カメラが比較的小型で携帯にも便利で、フルサイズカメラに比べ2倍の撮影枚数が得られることから、新たな需要を開拓し、また、サブカメラとして愛用者を増加していった。
富士フイルムもこれらのニーズに対応するため、1963年11月、ハーフサイズカメラ"FUJICA Half"を発売。
FUJICA Halfは、丸みのあるスマートなデザインで、ハーフサイズカメラとしては初めてのセルフタイマーを装着した。
レンズ | FUJINON 1:2.8 f=28mm 4群5枚 |
シャッター | SEIKOSHA-L 速度:Bulb,1/30〜1/300秒 |
ファインダー | 逆ガリレイ式ブライトフレーム |
ピント調整 | 前玉回転式目測 |
露出調節 | 内蔵露出計による自動調節 受光素子:セレン光電池 |
EE可能範囲 | 1/30秒・F2.8〜1/300秒・F22 |
フィルム感度設定 | ASA 12〜200 |
大きさ・重量 | ?(W)×?(H)×?(D)・?g |
(外観)
埃、錆及びカビあり。小傷あり。
(機能)
EE機能不全
FUJICA HalfはCanon Demiと同じくモナカ構造になっています。前皮をめくって現れる4本のマイナスネジを外すと前パネルが外れます。 | |
EEは段カムによる露出計指針の押え込み方式です。何度かシャッターボタンを押して、動作を確認していると、露出計はちゃんと動作しています。 でも、何だか変です。 | |
この状態がシャッターボタンが押されていない状態です。明暗に応じて露出計指針が上下にきちんと動作しています。 | |
これはシャッターを半押しして露出計指針を押さえ込んだ状態です。この後、シャッターボタンを戻すと、上の写真のようになるはずなのですが、指針を押さえ込んだまま固定されてしまいます。 アームの動作を見ていると、どうも何かが引っかかっているような動きをしています。 あちらこちらの先逹者様のサイトを参考にさせていただき、よくよく観察して、「絞り羽根の動作が怪しい」ということで、絞り羽根を確認する事にしました。 | |
フィルム室からカニ目リングを外すと、鏡筒が外れます。ここで、シャッターボタンを何回か押して、連系アームの動作を確認すると、まったくもって正常でした。絞り羽根をよく観察すると、油染みが確認できました。 | |
シャッターユニットを外します。 | |
問題の絞り羽根です。ベンジン漬けで油分を除去して再組み付けし、鍵穴用の潤滑剤(層状セラミック粉末が主成分)で潤滑させました。 |
この後の再組立てで、ガバナーの油切れによるシャッターのスタック。前玉ヘリコイドがうまく噛み合わない。などなど。
シャッターを組み込んでは外し、組み込んでは外し...。なかなか苦労いたしました。
でも、いろいろ得るところが多かった寫眞機いじりでした。
【追記(2012/03/29)】
試写をしたところ、フィルムの巻き上げに不具合があることが解りました。巻き上げ軸がすべって、きちんとコマ送りしないことがあったり、同じ理由でいつまでも巻き上げができてしまいます。じっくりと弄っていきたいと思います。